今回ご紹介する作業は、ジムニーJB23Wの異音の点検です。
左後方からボコボコと空気の抜けるような音がしてエンジンが吹けないということで、一度お車をチェックすることになりました。
試走してみると、確かに4000rpmあたりから吹けが悪く、左後方からボコボコと音がします。
5000rpm過ぎまで回すと少しマシになる感じです。
一度ピットに戻り止まった状態で吹かしてると、すんなり回ります。
ネットでも色々情報を調べてみると、オルタネーターだのタービンだのお金の掛かりそうな単語が出てきて、それが原因なら高くつくなぁと思い、改めて考えます。
まず、オルタネーター不良ですが、バッテリーは十分充電されており、異音も無いためOKです。
そして、タービンを見てみます。
タービンの羽根が少し割れているだけでブーストが掛からなくなり、エンジンの回転も上がりません。
しかし、止まった状態だとエンジンの回転は上がり、しかも異音もしません。
左後方からボコボコと音がするのも少し気になり、左後方を見てみると、マフラーの出口が左後方でした。
中古車なので、どこが壊れているか分からないため、一応サイレンサーを揺すってみます。
腐食により、中身が落ちて詰まっている可能性も0ではないです。
結果は大丈夫でした。
さて、不安要素を全て排除して、実は本命をまだチェックしていません。
イグニッションコイルです。
スパークプラグの上に付いている部品で、エンジンに強い火花を飛ばすために電圧を増幅するコイルが入っています。
これが劣化すると、横に火花が逃げるリークを起こしたり、強い火花が出ずに失火してしまいます。
ボコボコという音は、失火してうまくエンジンが回っていない音で、社外マフラーに変えているため音が増幅しているためでした。
また、4000rpm辺りでアクセルを踏んだ際に回転が上がらず加速しないのは、トルクバンドといい、一番エンジンのパワーが出る回転数だったため、より失火の症状が出やすくなっていたという訳です。
そのため、5000rpm以上回すと逆にトルクバンドを外れるので失火せずに吹けたり、止まっている状態の無負荷状態だとスムーズにエンジンは回ります。
さて、ここまで言っておいて、交換後も症状が直らなかったらまた考え直しです。
新品のイグニッションコイルが1つあれば、各気筒にそれぞれ交換して走行すれば何番気筒が失火しているという所までハッキリと搾れるのですが、部品があればそもそも交換するワケでして……
ここまで理屈で追及出来ているので間違いないとは思いますが、過信は禁物です。
しかし、故障の原因には理由がキチンとあるのでどうせなら何故この症状が出るのかまで考えてから修理したほうが間違いは減らせますね。
と、言う訳で部品入荷後にまた来ていただく形になりました。
よろしくお願いします!